2020/02/14

ジョン・カーニー監督「シング・ストリート 未来へのうた」

アイルランドで家庭の都合でどん底の青春時代を余儀なくされた主人公コナーがバンドを組む話。
この映画についてざっくり言うとそれがすべてですが、
そこに散りばめられた青春や音楽がとてもキラキラした映画でした
多摩地域でステレオタイプの外国の世界に憧れて子供時代を過ごしたわたしからしたら
恥ずかしながらヨーロッパってだけでおしゃれで憧れの対象に感じるのですが、
この映画の主人公の絶妙なダサさや海の向こうのイギリスへの憧れ、
「ここから出たい」と願う気持ちがとてもリアル。

主人公は「BACK TO THE FUTURE」のダンスパーティーシーンに憧れをもっていて、
そのイメージでバンドのPVを撮ろうとする姿とか愛おしさすらあった!
(しかもどうにも冴えない現実のPV撮影中に主人公の頭の中で完璧に再現されたダンスパーティーシーンがまたよかった)

主人公&バンド仲間はダサいけど、必死にもがいているうちに魅力やかっこよさがきらきらしてくる。
それが才能なのか青春のなせるわざなのか…
憧れに対して臆面せず手を伸ばす主人公の姿は応援したくなります
わたしの10代にこんな行動力はなかった…。才能も。

最後のシーンは本当に意外で、突然終わらせた感がすごい。
でも後味はまったく悪くなくて、その先は希望なのか絶望なのかわからないけれどわくわくした。
単なるボーイミーツガールものとは少し違って、憧れの彼女の存在が憧れの対象から外れても続く。
ミステリアスではなくなった彼女の姿は主人公と同じで、
だからこそふたりの門出に「がんばれ!未来は明るい!」と応援したくなる。

個人的には音楽何でもござれのバンド仲間のエイモンと、主人公のお兄さんがいい味だしてた。

劇中歌はどれもよかったけど、中でもUPがとてもよかった。
憧れの彼女への高揚した気持ちとバンドの楽しさがあふれたナンバー。
こんなカセットテープももらったらときめく。

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