2020/02/14

ミヒャエル・エンデ「モモ」

子供のころに読んで“時間どろぼう灰色の男たちのインパクトが強烈だった児童書「モモ」。
んじんのあらすじがうろ覚えだったのでこの機に読み直してみました
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ストーリーが本当におもしろくて最初から最後まで夢中になって読みました。
冒頭の世界観やモモという少女の説明、灰色の男たちの登場にわくわくして読み耽りました。
終盤の灰色の男たちに時間を奪われた世界、ひとりぼっちになってしまったモモのあたりで怖くなって、それこそ一気に読みました。
どのシーンも文章を読んでいると頭の中でありありと情景が浮かぶから不思議です。
モモの悪夢のシーンは特にすごい迫力でした。

時間どろぼう、亀のカシオペアにマイスターホラ、
掃除夫ペッポと語り手ジジ、そしてモモ。
よくここまで魅力的な登場人物と設定を作ったなとびっくりしてしまいます。

物語では灰色の男たちに言いくるめられた人々は人としての尊厳や幸せより、効率的に時間を使うことだけを考えるようになってしまいます。
ジジは「モモと過ごした日々は幸せだったけれど、お金もないボロを着た生活には戻りたくない」と言う。
どうすれば幸せになれるかわかっているのにそれを選択できない(しない)
日々やることに追われ空いた時間を探すのに一苦労しているわたしには身につまされるような話です。
特定の遊びのためだけに作られたおもちゃを受け取らないモモのシーンも印象的でした。

灰色の男たちに支配された世界では、大切なものを知っている気高いペッポも騙され利用されてしまう。
恐ろしい世界です。
モモ以外のすべての人が時間を奪われた世界は児童文学とは思えないほど恐怖を感じました。

物語前半のモモと遊ぶ子供たちの描写、
モモのためだけのお話をしてあげるジジの場面は本当にすてきでした。
この年齢になって改めて読んで、ずっと心の隅に忘れないでいたい大切な物語だと思いました。

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